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2009年7月

2009年7月31日 (金)

滑る水着

世界水泳選手権を見て、驚いた。

北京オリンピックで、マイケル・フェルプスが着て世界新を連発したスピード社製の水着を超える高性能水着が開発され、新記録ブームをつくっている。

1年かけて追いついたのではなく、追い越した。これほど鮮やかに技術革新のペースを目撃できたことに感動を覚える。

このように、すぐに追いつかれる商品の差を訴求するのではなく、生活にユニークにポジションしたブランド価値を訴えるのが、欧米の合理主義のブランド広告である。

一方、日本の商品広告は、徹底して商品のスペック差を強調する。追いつかれたら追い抜けばいいという「技術力」を積極的に捉え、信頼を寄せているのが、日本の現実主義の商品広告である。

しかし、あらゆる商品がコモディティ化し、非常に差がないのが現実でもある。そこを突破するのが、クリエイティビティであるという考えを採る。

ここに、デジタルメディアを駆使して、バイラル効果を狙うクロスメディア展開に活路を見出していた。ところが、大型予算を使っていた企業が軒並み広告費をシュリンクさせた。

低コストで有効なデジタル手法が、メディアフリーという視点のもとに残った。どうすれば、バイラル効果を得られるかを施策するメディア・プロデューサーの時代になっている。

ロール・プレイング・ゲームのように、ストーリーを選べる双方向のウエブムービーが、1週間で75万人の視聴があり、話題なっている。英国の反暴力主義DROPTHEWEAPONS.ORGのCM。ストーリの要所で2択があり「ナイフを持ちますか」と聞いてくるのが、ミソです:

http://cdn.visiblemeasures.com/youtube/chromeful/popup520x400.html?video=JFVkzYDNJqo

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2009年7月28日 (火)

考えさせる1位たち

No.1コマーシャルを3本見てみたい。

日経MJの今年「上半期新製品の売れ筋ランキング」によると、酒類トップは、ビール風味飲料キリンの「フリー」だそうだ。CMも”国民飲料”みたいな安心感を漂わせるhttp://www.youtube.com/watch?v=D3LPJ1K4vEk

今年の売上目標63万ケースを2カ月で達成し、160万ケースに上方修正。2位は第3のビール、プリン体と糖類を大幅にカットしたアサヒビール「オフ」。本物ビールの顔色がない。「本物に対するこだわり」は、一体どこへ行ったのか考えさせる。

シャンプー等は、春3月頃に新製品が発表される。その販売競争で誰が勝ったか、6月時点の調査がある(日経MJ7/24)。ラックスの「ス-パーリッチ シャイン シャンプー」が、資生堂「ツバキ」を抜いて1位になった。

キャサリン・ゼタ・ジョーンズを起用したけど、男目線でつくっているようなウエブムービーを見ていて、正直言って、ラックスが勝つとは思えなかった:

http://www.youtube.com/watch?v=kZpSfahQ--0

最後に、YouTube再生ランクCM部門(7/第4週)1位の自民党のCMだったそうだ。官庁からの充分なデータを持たない万年野党、民主党のアキレス腱をついたものだ。小沢発言を逆手にとった、自民党のいやらしいCMで、民主党にとっては、痛いCMである。自民党が補正予算で(存在を否定していた)埋蔵金を使いつくした後の予算策定に不安がないとは言えない:

http://www.youtube.com/watch?v=mmWEapy01Ow

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2009年7月25日 (土)

たまには、森よりも木を見る

知的労働者も遂にストに入った(Harvard Business Review7-8月号09)というニュースは、ゲーム業界も不況の影響で、制作費の抑制があり、そのしわ寄せがCGアニメ・プログラマーに出ていることを伝えています。

カリフォルニアのゲーム制作会社が、10000万人のプログラマーの半数に、3ヶ月間は雇用契約なしの労働を強いていたことが判明したそうです。

不況では、特に広告効果に対する広告主の関心が高まります。どうもこの「効果」に対する見解が、広告関係者と一般の人々とは違うということが指摘されました(WARC.COM)。

○効果のある広告とは、「立ち止まらせて、考えさせた」ものという定義は、53%のプロが支持したのに対し、半分の29%の一般が支持。受け止め方に、なぜかギャップがあるようです。広告なんかに考えられさせられたくないということでしょうか。

○「情報を与えてくれた広告に効果を認める」のは、51%のプロに対し、29%の一般が支持。これも、知識の押し売りはごめんだということでしょうか。

○「楽しませてくれた広告に効果を認める」のは、41%のプロに対し、34%の一般で、これは両者の見解が近いです。

○「面白い広告が一番インパクトがある」には、32%の広告主に対し、33%の一般が賛成。これには、低いレベルで一致。まあ、ちょっと短絡すぎるかなという意見でしょうか。

○「商品をしっかり見せるものに効果」には、27%のマーケターに対し、20%の一般の支持。商品にもよるし、これだけでは効果は言えないというところでしょうか。まあ、日本の飲むしか能のないビールCMを見ていると否定に賛成。

○「何度も何度も飽きるくらいやらないと効果がない」と考えるのは、21%の業界人に対し、10%の一般。10%の一般に驚きです。元広告会社員の家族ではないでしょうか。

●効果がある広告は「楽しめる、ユーモラス、ためになる、商品の利便が明快」という要素が複合的にからみあったものということで、ピンポイントの結論はなさそうです。

因みに、この不況下では商品の「価値提案」を行うようにしていると答えたマーケターが、61%います。

このような欧米の細かい調査データを見ていると、日本にはこの種のデータがきわめて少ないのに思いが向かいます。

「木を見る西洋人、森を見る東洋人」というリチャード・ニスペットの言葉がある。

カテゴリー化の科学性を尊ぶ西洋人に対し、遠近法のない東洋画のように全体を捉えようとする東洋人の違いでしょうか。

ドン・シェルツ氏が統合の実践について話すと、東洋人は「やってみましょう」と言い、西洋人は「どうしてせっかく分業化したものを統合するのか)」と反論されると語っています。

自然体の”スローライフ”など、現代人が求めるものは、東洋思想にルーツがあると、欧米の濃いデータを見ていて、思わせられます。

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2009年7月23日 (木)

期待が幸せを殺す

人が幸せになるためには、何が必要でしょうか。人を少しでも幸せにするために存在する広告でしょうか。いいえ。

ここに、ヨーロッパで、どこの国民が最も幸せに感じているか、という調査があります(EUROBAROMETER SURVEY)。デンマーク人だそうです。それも調査が始まってい、30年以上も。

北欧と気候と文化が近いデンマークが、スエーデンよりフィンランドより、なぜ幸せを感じているのか。バイキングに攻められ続け、美人DNAがなくなったデンマークの幸せとは。

調査員に「幸せですか」と尋ねられると「最高に幸せ、でもほんのつかのま」とデンマークの人々は必ず言うそうです。

つまり、幸せは、長く続かないという低い「期待感」が、彼らの幸せの成分だ、という推論です。

もっといいはずだという期待感が、幸せをどんどん壊す。

一方、「期待感」で解釈すると、色々な事柄を説明できる。年長者の方が、幸せを感じる度合いが大きいのは「期待感」が低いから。昔より社会的な地位が向上したのに現代の女性が幸せを感じないのは「期待感」が大きすぎるから。「期待感」が社会の許容度を超えているから。

世の中不景気になったせいでは、人は落ち込まない。なぜなら、人は「期待感」を抑え込む術を知っているから。逆に、好況になると「期待感」が高まって、落ち込みやすくなる。

幸せ=現実ー期待感と、よく言われている。「期待感」が大きければ、幸せが小さくなるというのは、なんだかわかる気がします。

いい広告が「期待感」をあおれば、幸せが小さくなるのでしょうか。その幸せは、元々その程度のものでしょうね。

41ucpctihsl__sl160_aa115__2 目下の最高の幸せは551頁の「地球46億年全史」リチャード・フォーティ著、草思社出版

地球の地形を解明するプレート理論で、地球46億年の歴史をたどり、世界を旅する圧巻の紀行文です。

キューピーヘッド

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2009年7月21日 (火)

美しい達人

「古い幽霊が、死にそうになった」

全英ゴルフで活躍したトム・ワトソンの言葉(記者から「明日の新聞の見出しを考えてください」と言われて、とっさに口をついて出たコメント)です。

ユーモアのセンスに脱帽です。

「59歳が凄い」と繰り返し繰り返し言っていた、日本のゴルフ解説のセンスのなさに脱帽です。

59歳のプロレスラーじゃないんだから。ゴルフの所要時間は3、4時間。でも、スイングしている時間は、3分半くらい(一振り3秒x70振り=210秒)で、残りはウオーキングしているスポーツなんだから、どこが凄いんですかぁ。

数年前、米国のメガエージェンシーが、メディア部門の40歳以上の人々をリストラしたことがある。理由は、過去のアナログ時代の先入観で、デジタルメディアに対する正しい評価と判断ができないと判定された結果である。

こんなところにも、デジタルな2進法が役に立っている!ではなく、短絡に判断されてはダメですよね。

不況で落ち込みが激しいスターバックスが、35年前の創業精神に立ち戻って、新しい試みを始めた。地域の憩いの場になって、コーヒーやスナックに加えて、アルコール飲料を提供し、コンサートや詩の朗読をしたりする店舗”Fifteenth Avenue Coffee and Tea"を開店する。古いことが新しいではなく、良いか悪いかである。

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2009年7月20日 (月)

いま最も面白いテレビ番組は、政治です

最近気になっていることがあります。画面のこちら側に向かって語りかけてくるCMが、多くありませんか。商品の言葉にするから、手っ取り早く済みますね。

カメラも登場人物と中間距離を保ち、セット費用がかかる”引き”とか、カット数が多くなるクローズアップの”寄り”をしない。制作予算が少なくてすむカメラワークです。

要は、面白くないCMが多いということです。

テレビ番組もそうです。あるセミナーで、外資系の宣伝部の人が「(欧米のケーブルテレビの番組と比較して)日本人は、もっといいテレビ番組を見る権利がある」と言った言葉を口惜しい思いで聞きました。

まあ、そんな中で、唯一楽しくはしゃいでいるのが、ネット上の”バイラルCM”です。

今年のカンヌのフィルムグランプリ作品フィリップスのシネマスコープ・サイズテレビの双方向CMもその好例です。

1千4百万人の視聴があったエビアンのLIVE YOUNGが凄く楽しいです:

http://www.youtube.com/watch?v=XQcVllWpwGs

このブログでお伝えした任天堂Wiiの対抗機、MICROSOFTのXboxの"Project Natal" の予告のウエブCMです。任天堂のように手元のリモコンは不要で、機械とアイコンタクトして、語りかけたりしながらゲームができる新鋭機の紹介篇です。登場してから1カ月で644,499人が視聴しています

http://www.youtube.com/watch?v=p2qlHoxPioM

2週間で736,698の視聴があったオリンパス・ペンのウエブCM。ペンが1959年にデビューした歴史を人間が成長、遍歴の道を歩く風景を、写真で綴っているちょっと既視感のある1篇ですが、視聴数は多く好評のようです:

http://www.youtube.com/watch?v=xbc6uYB1e1w

視聴数の多さでは、エビアンに次いで13,126,503の英国T-mobileの”DANCE"です。以前ご紹介したあのリバプール駅を貸し切った集団ダンスのウエブCM。”LIFE IS SHARING(人生は分け合うこと)"というコピーで、携帯電話での情報共有を謳ったものです:

http://www.youtube.com/watch?v=VQ3d3KigPQM

視聴度数を書いていて、テレビのデジタル化で、正確なCM視聴頻度が出ると、広告会社にとって息詰まる日々が続くかも知れません。ただ、質的に良くなるかは、疑問ですが。

キューピーヘッド9545764

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2009年7月16日 (木)

間に合わなかった幸福

「幸福は長続きしないでしょ。だから、誰かに壊される前に、自分で壊してやる」

こんな矛盾に満ちた女子高生の言葉が聞こえてくる電車は、文庫本がなくても、退屈しない。

でも、ここのところ「幸福を見つめるコピー」という単行本を電車の中で読んでいる。

Book

心が鎮まる。静かな湖水に波紋が広がるように、作者の言葉がパスワードなしに心に入り込んでくる。

優しい、深い、哀しい、微笑ましい、傷ついている、そんな心を凝視する瞬間が、時間を忘れさせてくれる。

これは、作者が昔書いたコピーが張り付けてある所謂”コピー本”ではない。一読をお薦めしたい。装丁デザインが、凛として美しい。

ある時、出版社を興したいと思ったことがあった。そのとき、この作者に執筆してもらいたいと思ったことがある。その夢は間に合わなかった。少し、がっかりもしている。

「幸福を見つめるコピー 岩崎俊一」 東急エージェンシー出版 ¥1,900

キューピーヘッド

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2009年7月15日 (水)

ブランドを殺さないで

一体、”ブランド”はどうなるのか?と思わずうなってしまう出来事が、キリンとサントリーの2つのホールディングスの経営統合だ。

ブランド論の.アーカーも、ポジショニング論のアル・ライズも顔を真っ赤にして怒るか、卒倒するでしょう。

そう言えば、GMもたくさんの会社を吸収合併して世界一になって、倒産しましたが。

ホールディングスと言えば、世界の多くの広告会社は、大きな4つのホールディングス・グループに属しています。

洗濯挟みを発明して儲かったお金で広告会社を買いまくってつくったWPP、良質の広告をつくっている会社だけを選んでグループ化したオムニコム、フランスの広告会社が他を買収してつくったピュビリシャス、昔コカコーラの広告を扱って伸びたマッキャン・エリクソンが中心になったインターパブリックの4つです。

こういう、4つのホールディングス・グループが、カンヌでも争っています。今年に限らずですが、フィルム部門21人の審査員は、1つのグループに偏らないように、4つのグループにいい具合に配分されています。

カンヌといえども、受賞は、相対値の数の争いです。1つのグループエゴを抑えるための”平和の配慮”です。

業界1位と3位の統合に、”平和の配慮”が望まれる。

キューピーヘッド9545764

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2009年7月12日 (日)

なるほど

「なるほど」という言葉が、小説家の開高健は、嫌いだったそうです。

どこまで分かって「なるほど」なのか、何故「なるほど」なのか、疑問をはさむ余地なく、ひとり了承が、「なるほど」という言葉に凝縮される。

「なるほど」には、議論も思考も終わらせる不毛の力があるとの理由です。

でも、感覚的に分かる、議論不要で分かる「なるほど」もある。

自民党の都議選敗北である。故人の好みに反して「なるほど」。

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やっぱりマイケル

”どうも”というのが、外国人にとって何にでも使える便利な日本語だそうだ。

「”とても”ありがとう」や「”いやあ”すいません」や「”なにか”おかしい」の意で、私たちは”どうも”を使ったりします。そう言われれば、とても幅のあるニュアンスです。

「やっぱり」は、翻訳不能な言葉だそうです。英語の場合だと”私は恐れていた通り”とか”私が考えていた通り”とか、予期していた結果に対する「やっぱり」です。ひとりで思いこんでいたことを、さも社会的コンセンサスように言いきるわけですから、理解不能、翻訳不能なのは分かります。

野暮なことは言わなくてすむ、”共通言語”を持つ同じ社会的立場の人々、同じ趣味や嗜好を持つ人となら、話をしてもいい。そんな思いでつながった人が集まるのが、やっぱりソーシャルネットワークです。

米国の最近の調査によると、ネットをつないでいる人の60%、1億1千万人が、ソーシャルネットワークに属しているそうです(Anderson AnalyticsSurvey調べ)。

一方、ネット先進国といわれる7カ国調査で、日本はインフラ基盤は1位でも、活用度では5位。理由は、「国民性もあいまって、ネットに対する不安を感じやすい傾向があるため」(総務省 情報通信白書09)。

でも、ネットをする日本人は、概ね”外向的でお喋り”だそうです。だから、ネット調査のモニターは、付き合いがよく、多くのデータやインサイトを提供してくれると、企業は重宝しています。

コカコーラやウオールマートなど欧米の企業が、ウエブサイトではなく、企業のブログサイトをつくり、積極的にこのネット層を取り込んでいます。ウオールマート”11人のママ”のように、新しいPR活動がどんどん始まっているようです:

http://instoresnow.walmart.com/Community.aspx

日本の企業も、”ユーザー・エンゲージメント”の一環として、ブログサイトの展開が活発化する日が、意外と早く来ると思います。

2,3年後には”やっぱりねぇ”と、外国の人に言っていると思います。

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2009年7月10日 (金)

脳は検索したがっている

www.bing-vs-google.com

ぜひチェックしていただきたいサイトです。マイクロソフトが開発したサーチエンジンBingとgoogleを同時に作動させて比較できます。

マイクロソフトは、冒険しないで”二匹目のドジョウを狙う”企業と言われて、今回のエンジンもエセgoogleでたいしたことないだろう。BINGは、"But It is Not Google(Googleの真似をしているが違う)”の略だろうと皮肉られていたくらい期待されていなかったようです。

「プリウス」を検索すると、googleは、「toyota.jpプリウス」ホームページを真っ先に紹介するが、Bingは、「プリウスの下取り価格」「愛車の査定」などがトップにリンクされている。そして、ホームページへ、と非常に現実的な視点で検索してくれる。

「村上春樹」を検索すると、googleはオーソドックスな 「村上春樹 Wikipedia」がトップであり、Bingは「村上春樹の本 ネット購買」と、話が早い。

Bingは、関連キーワードが豊富に整理され、"One Click and Zero Thinking"クリックしたら考えなくていい設計になっている。

まあ、これは”スイッチを入れれば、考えなくていい”テレビの基本設計と似ている。だから、この先、サーチエンジンは、人々の生活に定着するだろう。

本音を言えば、Bingが勝とうが googleが勝とうが、どちらでもいい。大きな変化は、サーチエンジンの進化が、広告への脅威になることだ。

広告が淘汰される可能性だってないわけではない。サーチエンジンを通じて、広告を見なくても、新商品を知ることが出来、その関連情報を一気に知ることが出来る。しかも、広告のように一企業に有利な情報だけではなく、多面的に比較対照できる多くの客観情報に接することが出来る。

広告にしか与えられない付加価値情報を提供できなければ、広告は生きていけなくなる。サーチエンジンのお陰で、広告が新しいパラダイムを迎えることになる。

きっと、商品のスペックしか伝えられない15秒のテレビCMが、なくなる日がくる。そして、広告が進化する。

キューピーヘッド9545764

一方、先輩のGoogleも設計志向はそうであり、定評の地図では写真の豊富さや周辺情報で、Bingを圧倒する。

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2009年7月 8日 (水)

にっこり納得できるCM

「たまに大学時代の友達と会っても、誰も会社でなにをやっているか話さないよ。きっとつまんない仕事をしてるんだろうな。こんな感じで、リーマンやっていていいのかな」電車の中で、新卒のサラリーマンが話していました。

”がんばっている”会社なら、新人をこのように扱っていないだろう。末端まで、”がんばり”が、巡っていない。

広告づくりも、基本は会社と同じだと思います。”がんばる”広告は、商品の特性を的確なメディアで、生活者の心に印象深く届くように工夫されている。

登場人物がしっかり描かれ、ちゃんと役割をこなしている。こんな視点で、今年のカンヌのフィルム部門の金賞受賞の作品を覗いてみましょう。

友達のような付き合いができるクルマが描かれている:

http://www.youtube.com/watch?v=rvcgAjs6AYQ

選挙投票には、老人の方が若者より2:1の割合で多い。こんな老人に投票を任せていいの?とういなにげに説得力があるMTVの「選挙に行こう」公共CM:

http://www.youtube.com/watch?v=AdLcrpUoVRY

「24時間以内に、世界で100万人が死ぬ。なんとか救いの手を差し伸べて」という不思議な電話を受けた女性が、夫に哀願する。夫は「今日は土曜日だし」という感じで、1日中ガウンを脱がないと決めたこともあり、ぜんせん乗り気でない「いつか、みんな死んでいくだし」とか「まだ、24時間もあるし」とか、ナイーブな妻をなだめすかす。おしれな南仏のコンドミニアムに住むふたりには、ステラビールがいいかも、みたいなお気楽なインターネットムービーが、気分です。(プレカンヌの予想CMで、ご紹介したものですが、何度見ても楽しいので):

http://www.youtube.com/watch?v=7TY9SGFlqJw

おまけ:

http://www.youtube.com/watch?v=yA9Hn_5NAeU

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2009年7月 7日 (火)

賞が広告を殺している

Canneslions 今年のカンヌは、審査がファジィで、出品部門がシームレスで、結果が???

3つのグランプリを独占したオーストラリアの観光客誘致の"THE BEST JOB IN THE WORLD"に、ビッグ・アイデアがあったか、疑問を感じる方が多いと思います。

厚遇の求人が、明るい話題を振りまいた、それだけのことではないでしょうか。

最近のアドエイジ批判に同調して(GOT MILK?の有名なキャンペーンのECD)ジェフ・グッドンビーも加わりました。「広告主に貢献した真の作品が選ばれるべきだ。広告会社のブランドの高揚に役立っているでけではないか」と、カンヌに限らず最近の広告賞の審査を批判しています。

「審査員もプロっぽいうがった見方を優先していないか。頻繁にオンエアされ、実際にインパクトがあったか、審査員は一生活者としての自身に問うべきだ。実感を優先すべきだ。オンエアを殆ど見ない、賞のためにつくられた広告が顕彰されるべきではない」

こんなことをしていたら、本当の広告が死んでしまう、と真っ当な指摘をしています。

一方、観点が違いますが、フィルムの審査委員長が「この先は、YGC(YOUTUBE GENERATED CONTENTS)、YOUTUBEに一般からアップロードされたコンテンツに注目した賞があってもいい」と提唱していたそうです。

本質をついた、本当(リアリティ)がある、本音が織り込まれた広告こそ、褒められるべきではないか。そうなれば、バイラルはついてまわるものだと思います。

バイラルという結果から逆算された受賞作品が多かったのが、今年のカンヌを軽くしたのではないかと、偉そうに言う筆者でした。

キューピーヘッド9545764

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2009年7月 6日 (月)

ソフトバンクの新しいCMは、スマップですか?

09年レベルの低く抑えた広告費が、今後10年は続くという予測も流れています。

企業は、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マーケティング)を深耕し、インターネットPRを志向しています。だから、初めにテレビCMありきのプレはなくなっています。

こんな中にあって、タレントCMを提案する広告会社や、採用する広告主がなくなってはいません。数千万円のタレントをカットして、欧米のように企画勝負のCMにならないものか。

悪いと分かっていて、やめられないことは世の中に多いのですが、実はいちいち理由があったりします。

1.日本の15秒の短いCMでは、覚えてもらうために”タレント”記号を残す。しかし、1人の人気タレントが10社くらい掛け持ちしていて、記号の意味がないのですが。

2.テレビCMを流通のバイヤーに事前に見せて、売れそうな期待感をあおる。このためには、有名なタレントを起用することで販売に力を入れていることを示す。

3.「今月の印象に残っているCM」という純粋想起型の好感度調査では、タレントCMで出稿量が多いものが、アンケート用紙に書かれる確率が高い。CM商品ではなく、好感度なタレントが想起されているに過ぎない。

明らかに省コストにつながるタレントCMが、なぜ失くならないか分かります。

でも、ちゃんとした企画の大人のCMが、そろそろ見たいと思いませんか。この不況こそ、パラダイムチェンジのチャンスだと思うのですが。

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2009年7月 3日 (金)

マーティンに聞こう

「Googleは、広告会社にとってフレンドであり、エネミーであるfrenemyだ」と公言し、パートナーシップを結んだWPPグループのCEOサー・マーティン・ソレルには、色々エピソードがあります。

かつて、カンヌの審査委員長を委嘱されたとき、「多忙な私にこのようなことを依頼するのだから、ロンドンから南仏へプライベート・ジェットの送迎を条件に考えたい」と要求し、カンヌはその要求に応え、敬意を示したそうです。

「5年間で50億円のボーナス」を要求して、WPPの株主から反対運動を起こされたサー・マーティン・ソレルは、へこんではいないようです。

彼の経済予測は「回復はV字型でもなく、U字型でもなく、L字型である」。サーは、かなり傷が深いと読んでいるようです(なのに、ボーナス50億?)。

それにしても、L字型って、どうなんですか。回復しないじゃん、ですよね。

冬の時代をどう過ごすかで、春の躍動力に差がでます。世界のブランドはどうしているでしょうか。

P&Gは「不況になると、広告費と開発費がまっ先に削られるが、不況の最中、あるいは終わっても、ブランドを成長させる力は、この二つであるので、堅持していきたい」。

「特に開発がもたらすイノベーションこそ、企業繁栄の礎をつくるものだ(不況で、ブランド・ロイヤリティが減衰している)。来年は、”最大のイノベーション”の年にしたい」

ナイキ、コカコーラ、ユニリーバは、”ソーシャル・メディア”を通じた生活者との接点を深めている。

ナイキは「こんなときでも、顧客の要求をどこまで捉えているか。そして、ブランドの強みをどう高めていくためにも、ソーシャル・」メディアを意識している」。

コカコーラは「Facebookで、2つのコーラブランドのファン・ページがあり、4百万人の登録がある。会員のつくった広告(CGA)をFacebookにアップロードして人気のコンテンツをオンエアすることは、既にメキシコで行っている。3年以内に、ソーシャルメディアが支持するCMを、カンヌに出品することになるだろう」

ユニリーバは「イノベーションとマーケティングが企業の生命線だ。不況でもこの投資は増額する。メディア費が多いと、知恵を絞らなくなる。広告費は、ソーシャルメディアを大いに使ってコスト抑制を図る」(以上、WARC Newsより)

3ブランドのソーシャルメディアの解釈や使い方が、異なるのが興味深い。

P&Gの”イノベーションの年”に期待したい。不況時にシェアを拡大したPBへの戦いと、生活者にブランド・ロイヤリティを回復させる手立てになると思える。P&Gの動き次第で、日本の花王、ライオンや資生堂なども対応を迫られるだろう。

日本の広告会社は、企業に対し新商品提案、商品共同開発をどんどんして、新たな仕事を創っていく必要があるのではないか。待っていても、無い仕事は来ない。また、このことで需要創造ができて、企業も利便を受けて、パートナーシップが確認できる。

キューピーヘッド9545764

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2009年7月 2日 (木)

グーグルがカンヌを散歩した理由

25flute1_75_ready_2  「35,000年前の石器時代の楽器が、ドイツの洞窟から発掘された」            (ヘラルド・トリビューン6/26)。

白鳥の羽根の骨に5つの穴を開けたフルートで、人類が知りえた世界最古の楽器だそうです。石器時代の洞窟で音楽が奏でられていたと聞くだけで、イメージが広がります。狩りに行けない雨の日の洞窟で、こんなことでいいのかなと思いながら、うっとり聴いていたんでしょうか。

あらゆるメディアが、楽器のように協奏して広告キャンペーンを構成する時代になると、アナログの昔のように、ピアノとかバヨリンの大きな楽器の独奏だけでは、いまの聴衆には届かない、聴いてくれない。

そこで、協奏曲をどうつくろうかという(広告ビジネス・モデル開発の)真剣な話し合いが、世界中で始まっている(ヘラルド・トリビューン7/1)。

広告の適切なターゲットを探し当てる”広告検索エンジン”を最初に開発し、新しい広告メディアとしての可能性を持ったYouTubeを1650億円で約3年前に買収したGoogleと、世界の2大広告持株会社(ピブリシャス・グループとWPPグループ)が、協働で新しいビジネスチャンスを模索している。

ただ、WPPのCEOのソレル氏は、「広告会社にとって、Googleは、(フレンドであり、エネミーであるとの意で)”frenemy"」と呼んで、競合と協調しながらの緊張関係のパートナーシップのあり方を、彼らしく冷静に見つめている。

新しく”広告検索エンジンBing”を開発したMicrosoftには、ピブリシャスの社員が常駐し、共同開発の広告モデル(co-development model)を、Microsoftのシステムに構築しようと試みている。

MicrosoftのBallmer氏は、カンヌのセミナーで「今は、recession(不況)というよりresetの時機である。多分、この後10年間はこの踊り場状態が続く」だから、協働が必要だと説いた。

インターネット会社と広告会社が、どんな協奏曲を奏でるか。石器時代のドイツの洞窟のフルートより異なったメロディになるだろう。

キューピーヘッド9545764

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